(番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2017年6月号掲載)
BS-TBS 麗しの宝石物語 5月はベトナム
▲ベトナムの田園風景
前回の放送ではカンボジアを舞台に繰り広げられた「麗しの宝石物語」。今月の舞台はお隣の国ベトナムです。 ベトナムもカンボジアと同様、戦争という記憶が離れない地でしょう。地球から人類への贈り物とも言える宝石はどの国でも人々の生活の一部をなしてきたことは「麗しの宝石物語」をご覧いただいている皆さんはご存知のはず。もちろん地球はベトナムの地にも贈り物を用意してくれました。ベトナムの人々がそれをもって発展していくことを期待するかのように・・・
ベトナム
▲ ハノイの街並み
今回のベトナム・ロケは前回のカンボジア・ロケからそのまま向かう行程です。カンボジアから一度タイに戻り、バンコクから空路ベトナムの首都ハノイまで約1時間半。たった1時間半で隣国の首都に行けることを考えると、日本はある意味特殊な国なんだなと少し感慨深くなりつつも、ハノイに到着です。
コバルトスピネル鉱山
ハノイから北へ150キロほどの場所にあるルックイエンから、さらに車で2時間ほど走ります。そこにあったのは大理石の山。目の前には崖のような険しい道とは言えない山道。まさかここを登る???・・・登るそうです。ロッククライミングさながらに約1時間半。やっとのことで到着した場所にコバルトスピネルの採掘現場がありました。ここでは採掘規模は小さいながらも、コバルトスピネルの層もはっきり確認でき、原石を見ることもできました。行くまでは大変でしたが、なかなかの収穫もありました。
▲ 堅い大理石に覆われたコバルトスピネルの鉱山。
▲ 地質調査を進めるアヒマディ博士。
宝石の朝市場
▲ アヒマディ博士も驚く種類と量の宝石が並ぶ朝市。
▲ 宝石の朝市にはなぜか女性の売り子ばかり。
ルビー鉱山に向かう前に宝石の朝市に立ち寄りました。ベトナムで採れる宝石が集まっているそうです。山奥なのに海外からのバイヤーの姿もあり、ベトナム産の宝石が注目されているのがわかります。なぜか売っているのは女性ばかりですが、アヒマディ博士の目の色も変わるほど、たくさんの種類と量の宝石が売られていました。
ルビー鉱山
▲ 険しい岩山をよじ登ってルビー鉱山へ向かう。
▲ 鍾乳洞の中は非常に危険。
▲ 採掘されたルビー。
ベトナムの鉱山は危険な場所ばかりなのでしょうか? また目の前には大理石の山が立ちはだかっています。ここまで来て後ずさるわけにもいかず、覚悟を決めて岩山をよじ登っていきました。そして着いたところは大きな鍾乳洞。この中にルビーがあるそうです。しかし、鍾乳洞の中は採掘のための最小限の安全性しか確保されておらず、さすがに私は断念。アヒマディ博士はその本来の使命感なのでしょうか、当たり前のように進んでいくことを選択。私は見送りをし、鍾乳洞の前で待っていましたが、その後、アヒマディ博士と撮影クルーが戻ってきました。あまりの危険さに途中で撮影を断念したとのこと。残念ながら目の前でルビーを発見することは出来ませんでしたが、この鍾乳洞で発掘されたルビーは現地の人に見せてもらうことができました。
メロパール
メロパールはベトナムで主に採取される天然真珠です。数が極めて少なくほとんど市場に出回りません。今回、メロパールの専門家を訪ね、貴重なコレクションを見せてもらえました。
ベトナムの宝石事情
ベトナムの宝石事情を知るために、「ジュエリービル」と言ってもいいような、ジュエリーショップが多数あるビルへ行きました。ビル内にはジュエリー工房もあり、職人さんが一つ一つ手作業でジュエリー制作をしていました。とっておきの宝石も見せてもらえ、ベトナムの宝石産業を垣間見ることができました。