(番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2018年2月号掲載)
【石ガール通信】第ニ回 目黒 佐枝さん
宝石をこよなく愛する「石ガール」が、様々な角度から「石の魅力」をお伝えする、「石ガール通信」。
2回目となる今回は、GSTVを代表するコメンテーター、目黒佐枝さんが登場。
目黒さんといえば、アメリカ宝石学協会が認定する宝石鑑定士の資格「GIA G.G」を携え、高級ジュエラーで働いた経験を持つ、筋金入りの「石ガール」。素敵なジュエリーに出会うと、少女のように喜ぶ姿は、オンエアでもお馴染みですが、普段の目黒さんは果たしてどんな「石ガール」なのか!?
目黒さんの休日に密着します。
石ガールの休日は家族と博物館へ!
私生活では「2児の母」の目黒さん。とある休日。
ご主人とお子さんと3人で向かったのは、茨城県坂東市にある「茨城県自然博物館」。
あれ? 1人お子さんが足りないと思ったら、中学2年生の娘さんは、残念ながらまだ「石ガール」ではないようで、今回は不参加。代わりに「石ボーイ」振りを発揮しているのが、中学1年生の息子さんで、幼い頃は公園に遊びに行く度に、ポケットを小石でいっぱいにして帰って来ていたとか。どうやら目黒さんのDNAは、息子さんに受け継がれているようです。そんな息子さんと共に、博物館へGO!
実は学芸員になりたかった!?
もともと王冠などの宝飾品が大好きで、将来は博物館の学芸員になることが夢だった目黒さん。大学時代、そのための授業も履修しましたが、途中でスイスのフィニッシングスクールへ留学。そのままアメリカのGIAに進んでしまったため、それきりになっていたのですが、今から5年前、改めて挑戦し学芸員の資格を取得。
そんなこともあって、休日は博物館へと足を運ぶのが趣味で、こちらの博物館も、今回で5回目の訪問。
隅々まで知り尽くす目黒さんに、早速案内してもらいます。
いきなり「鉱物館」はNO!
目黒さんがまず向かったのは、「地球の生い立ち」ゾーン。
「 『 石ガール』というと、ついつい『鉱物館』に行きがちなんですけど、石や宝石を知るには、まずは地球の生い立ちから見るのが面白いんです!」
そして「地球の生い立ち」が分かったら、次なる展示スペースへ。その場所こそ、「石ガール」目黒さんのイチオシなんだそうです。
空から降る宝石に注目!
▲必ず見にくるエスウェイル隕石
「石ガール」目黒さんが今回、皆様にどうしても伝えたいこと。
それは、「宝石は掘るだけでなく、空からも降ってくる」というロマン。例えば、こちらに展示されている、大きな隕石。
「この隕石、持ち上げることが出来るんです。隕石がどれだけ重いのか、是非体験してみて下さい! って重くて持ち上がらないんですけどね(笑)。」
そしてこの博物館の中での一番のお気に入りで、必ずチェックするのが、「エスウェイル隕石」。
「これ、空から降ってきたんですけど、石の間にカンラン石というか、ペリドットみたいな緑の石が沢山入ってるんですよ。石の前にあるボタンを押すと、暗くなって後ろからライトで照らされ、緑色が透けて見えて、とってもキレイ。まさに宇宙の神秘です。とにかく地面から掘るだけじゃない。空からやって来る宝石もある、っていうのを楽しんでもらいたいんです。」
そんな目黒さんの想いには、ある宝石学者のエピソードが影響しています。誰もが知るニューヨークの宝石店「ティファニー」で副社長まで務めた、クンツ博士。タンザナイトやクンツァイトを発見したことでも知られていますが、その昔、アメリカに落下した隕石の中にペリドットを発見し、ティファニー社でカットしたものを1900年のパリ万博に出展したとか。その史実を知っていたため、初めて見た時の感動は格別で、以来ここに来ると必ずボタンを押すのが、秘かな楽しみになっているそうです。
野外展示も楽しもう
館内だけでなく、野外展示が楽しめるのも、こちらの博物館の魅力。
「 野外で石を触ったり、石の層の中から鉱物を探したりするアクティビティも、充実しているんですよ。今回は参加出来ませんでしたが、岩山が点在するコースをガイドさんと一緒に歩いて、岩の間から鉱物を探したり、砂山から貝の化石を探したり。家族連れなら、1日楽しめる場所だと思います。」
目黒さんのDNAを継いだ「石ボーイ」の長男くんも、博物館を1日満喫したそうです。
宇宙を旅して地球に落ちてくる隕石に、宝石が含まれている奇跡。
そんな「空から降る宝石の美しさ」を伝えたかったという目黒さん。
「石ガール」としての次なるターゲットは、愛してやまないアンティークジュエリーの博物館。次回のリポートもどうぞお楽しみに!!
今回訪問した博物館
ミュージアムパーク 茨城県自然博物館
〒306-0622 茨城県坂東市大崎700
開館時間9:30~17:00(入館は16:30まで) 毎週月曜日休館※祝休日の場合は翌火曜日休館