アヒマディ博士のジュエリー講座 Vol.36<最終回>
新刊 アヒマディ博士の宝石学

「アヒマディ博士の宝石学」8月26日、Amazonにて発売開始!

宝石学発売

「アヒマディ博士の宝石学」がいよいよ8月26日に発売決定!
アヒマディ博士が独自の視点でまとめた最新の宝石学を書籍化。自ら世界中の宝石鉱山を巡って知り得た、宝石の産状や採掘の様子など貴重な現地写真とともに紹介します。

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アヒマディ博士の宝石学
アヒマディ博士
「アヒマディ博士の宝石学」
著者: 阿依アヒマディ
発行: 株式会社アーク出版
協力: Tokyo Gem Science LLC、株式会社GSTV
仕様: A5判ソフトカバー、272ページ、フルカラー
価格: 2,500円(税抜)
8月26日よりAmazonで販売開始/SRや催事会場でも販売予定

 GSTV宝石学研究所の設立以来、宝石の科学という題目でGSTV FAN(番組ガイド誌)や愛好家や宝石初心者に向けて、各種宝石の基礎知識や歴史や原産地などの最新情報を含めた記事を毎月お届けしてまいりました。この記事を通じて読者の皆様は宝石に関する知識と理解が日々増えているかと思います。毎月読者から多くの感想をいただいています。その中で宝石に関する知識をもっと学びたい、一般読者向けにアヒマディ博士の本を読みたいという意見がとても印象的でした。その声に応えるために、今まで書いてきた内容に更に必要な基礎知識や過去と現在の宝石鉱山の現状や宝石における各最新処理などに関する情報を加筆し、「アヒマディ博士の宝石学」 というタイトルを選び、作成することにしました。

 本書では宝石を身に付ける贅沢品として紹介するのではなく、自然から生まれた美しい鉱物結晶として、最も理解すべき鉱物結晶学的な知識、宝石学的な特性、成長成因と産状、そして世界的な名産地を多くの写真を使いながら紹介し、それぞれの宝石名の由来と歴史や処理の有無や品質の選び方などについてまとめました。そして、本書を通じて皆様に以下の内容を伝えたいと思います。

  1. 1)本書はメジャーな無機物と有機物起源の宝石を紹介する目的とし、各節の中では、その宝石の定義、宝石名の由来、トレードネーム(商業名)、歴史、物理と化学的特性、産状と原産地、色の変種、カット形状、そして宝石の選び方などについて分かりやすく述べました。
  2. 2)市販されてきた多くの宝石書籍には、類似した内容も含まれていますが、2000年以降に新たに発見された宝石や原産地に関する最新情報についてまだアップデートされていません。筆者は2000年以降に宝石の鑑別や研究などに携わり、多くの宝石産出地を訪ね、最も新しく発見された宝石の原産地の地質と産状を調べ、より多くの研究成果を学術論文に発表してきました。その最新情報や研究成果の一部を本書に取り上げました。
  3. 3)1000枚以上の写真を掲載し、宝石はどのような場所で採れているのかを鉱山の姿と採掘の様子を写真で解説したり、宝石が自然界で生まれたままの姿や研磨加工した後の姿やジュエリーに変身した後の姿などを幅広く伝えたり、模式図を使って普段見慣れないものをイメージで伝えたり、専門用語をなるべく理解しやすい文書で説明したりすることをこの本の主旨にしました。
  4. 4)宝石における加工処理が古くから行われてきました。近年注目すべき新しい処理が現れるように、このような処理法を一般読者に紹介した書籍が少なく、著者が最先端分析機器を用いてより多くの研究を行い、各処理の看破法を見出したので、本書に従来からの処理法と近代の最新処理法を取り上げて紹介しました。
  5. 5)宝飾業界において合成ダイヤモンドは今の最も関心されている話題となっています。高温高圧法による従来の製造以外に、近年化学気相蒸着法による合成CVDダイヤモンドの生産が増え、ジュエリーに天然と合成ダイヤモンドが混じりあうようなケースが増えています。本書では天然ダイヤモンドと両製造法による合成ダイヤモンドを比較し、その特徴を紹介しました。
  6. 6)本書は参考書として利用するのではなく、一般読者と宝石愛好家に総合的な入門書として、宝石の鑑別と研究を行っている宝石鑑別士や研究者にとっても最新の情報書として活用されることを意図しています。
アヒマディ博士の宝石学

 宝石学とは地球科学の一部であり、地球上に存在する5000種以上の鉱物が存在する中、色が美しく、産出が希少で、日常の使用に耐え、磨耗や傷などに強い耐久性を持つものは宝石と認められ、また宝石と呼ばれます。もちろん、宝石は鉱物結晶の一部、鉱物は岩石の一部、岩石は地球の地殻を構成する最も重要な物質です。地下深部750キロメートルから地殻数キロメートルまでに存在する火成岩から、地殻の数十キロメートルから数キロメートルまでの変成岩から、そして地球表面数十メートルからゼロメートルまでの堆積岩から宝石が生まれてきます。宝石愛好家はきっとこのような質問をするだろうと思います。これは何という宝石?宝石はどのように成長するの?どこで採れるの?何種類の宝石があるの?ダイヤモンドはなぜ一番固いの?といった質問がたくさんあります。

 読者の皆さんにとって身近な宝石を取り上げました。宝石には多くの興味深い科学が含まれていることを感じていただき、宝石となる基本要素と特徴、美しさと価値に対する理解を深めていただければ、自分の好きな宝石の魅力をもっと発見できるかもしれません。身に付けたその素晴らしい宝石のロマンをいつまでも語れるかもしれません。そのような願望をこの本から見つけていただくことを心から願っております。

アヒマディ博士の宝石学

 今後の活動ですが、GSTV FANの番組ガイド誌に「宝石の科学」という記事の紹介はこれで終了させていただきます。多くの読者や宝石愛好家に更なる希少な宝石種を紹介していくため、その産出地を調査しなければなりません。正しい情報と試料を採集し、その活動報告を再び取り上げたいと思います。

アヒマディ博士

執筆

阿依 アヒマディ

理学博士・FGA。国際鉱物学会(IMA)宝石素材委員会日本代表。国際宝石学会理事。京都大学理学博士号取得後、全国宝石学協会 研究主幹を務め、2012年にGIA Tokyoラボを立ち上げる。現在はTokyo Gem Science社の代表およびGSTV宝石学研究所の所長として、宝石における研究、教育セミナー、宝石鑑別などの技術サポートを行っている。宝石の研究、鑑別に関して日本を代表する宝石学者。

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