(番組ガイド誌「GSTV FAN」 2018年6月号掲載)
【石ガール通信】第六回 小俣 友里さん
百花繚乱ならぬ「百石繚乱」の輝きを放つ、GSTV公認の「石ガール」たち。
今回は、オシャレな解説で人気のジュエリーコーディネーター、小俣友里さんが満を持して初登場。
その感性によって紡ぎ出される、石の世界とは果たして…!?
「石ガール」誕生!
子供の頃から絵を描くのが好きで、美大では油絵を学んだ小俣さん。美術教師志望から一転、子供向けのアクセサリー通販の会社に就職したものの、いつしか本物のジュエリーに携わりたいと思うようになり、仕事の傍らジュエリーの専門学校へ。宝石の知識を身につけ、26歳で転職したのは、ジュエリーをリフォームする会社で、ここから小俣さんの「石ガール人生」が始まりました。
振り返れば「人生を変えるタイミングにはいつも、宝石との出会いがあった」そうで、お客様から宝石や人生について学ぶことも多かったといいます。
「転職したての頃、70代の品のいいマダムが、終活でしょうか、お手持ちのジュエリーを売りにいらしたことがあったんですが、一つ一つのジュエリーにまつわるストーリーをお話してくださって、すごく印象に残っています。その会社では地金だけを買い取って、ついている石はお返ししていたんですが、最後に一つのリングを取り出して、『想い出があって捨てるの勿体ないから、あなたにあげる』っておっしゃったんです。もちろん『いただけません!』ってお断りしましたが、『私の気持ちがおさまらないから受け取って!』とおっしゃって。
そんなやり取りがしばらく続いた後、会社としてはいけないことだったと思いますが、結局いただくことになって。0.3カラットのダイヤモンドのリングだったんですけれど、ペンダントに替えてお守りのように、ずっと着けさせてもらいました。ジュエリーにはストーリーがあることを、そのお客様から教えていただいた気がします。」
その後、カラットとカラーが同じダイヤモンドと出会い、ペンダントはピアスに変化。今でも大切にしているそうです。
資格の女王
小俣さんといえば、ジュエリーへの向上心が旺盛で、数々の資格を取得した「資格の女王」としても知られています。そのきっかけとなったのは、ジュエリー業界に転職して2年目だった27歳の時に挑戦し、当時最年少&最短にして見事合格した「ジュエリーコーディネーター1級」の資格。以来、さらなる高みを目指して、「ジュエリーリモデルカウンセラー1級」「カラーコーディネーター1級」「真珠のプロSA(シニアアドバイザー)」を取得し、ついにはダイヤモンドの本場、ベルギー・アントワープへ宝石留学。宝石鑑別鑑定士の資格「IGI.G.G」も取得しました。
「ラフダイヤモンド-ダイヤの原石の勉強が出来るのが、IGIの特徴です。原石のグレーディングはもちろん、原石を買い付ける際の見積りの出し方まで教えてもらいました。ジュエリーの仕事を始めてから、何かに引き寄せられたみたいなことがよく起こるんですが、このベルギー留学もそうでした。石が背中を押してくれたのか、あるいは石に導かれているんだなって思いますね。」
時を超えて受け継ぐジュエリー
ジュエリーコーディネーターとして、業界の第一線でマルチに活躍する小俣さんですが、本業といえば、29歳の時に独立して始めた「ジュエリーのリモデル(リフォーム)」。リフォームの会社で積んだキャリアを活かして、ジュエリーを甦らせています。
「ヨーロッパには昔から、大切なジュエリーを次の世代へと受け継ぐ習慣があり、宝石の美しさと共に、そこに秘められた想いも、時代を超えて継がれてきました。そんな文化が日本にも根付いたら素敵だなと思って、リモデルの会社を始めました。お母様から譲り受けた昔のデザインのジュエリーや、元カレからプレゼントされて使わなくなったジュエリーなど、一つ一つのジュエリーの想い出を伺いながら、リメイクのアドバイスをさせていただいています。」
私のお気に入り
そんな石ガール、小俣さんのジュエリーボックスを覗いてみると…
まさに「百石繚乱」の華やかさ!中でも、一番の宝物というと…!?
「ムンシュタイナーのアメトリンのリングです。ドイツのイーダー・オーバーシュタインへ行った時、ムンシュタイナーさんのアトリエで一目惚れして、即決で購入させてもらったんですが、内心は清水の舞台から飛び降りる気持ちでした(笑)。でも見た瞬間に『これだ!』って、運命を感じて。私はジュエリーを買う時、インスピレーションを大事にしているんですけど、この時もそうでしたね。石に呼ばれているような、石が何か教えてくれるような。お守りのように着けている宝物です。」
他にも、GSTVに出演するようになって初めて買ったリングや、大好きなパールのコレクションなど、お気に入りのジュエリーを公開してくれた小俣さんですが、実は最近とても大切にしているジュエリーがあるといいます。
それは…?
「ローズクォーツのブレスレットです。あまりにも男運がないからお友達がプレゼントしてくれたんです(笑)。ローズクォーツは美の女神、アフロディーテの石ともいわれていますから、恋愛運アップだけでなく、女性の美にもいいんですよ。恋愛運の効果ですか? どうでしょう? 今年中にもし結婚出来たら、このローズクォーツ効果だと思ってください!(笑)」
最後に、小俣さん流の「石ガールのススメ」を聞いてみました。
「とにかくご自身の審美眼とインスピレーションを信じて、お選びいただくのが一番です。気になる宝石の石言葉や意味を調べると、今の自分に不足していることや、必要な気付きを与えてもらえます。私は最近インスピレーションを受けて買ったダイヤモンド(ルース)を、自分の写真の上に置いて、毎日話しかけています。それだけでも石のパワーを感じることが出来ますよ。」
「ジュエリーは天職」という小俣さんの「石ガール」術。是非お試しあれ。
▲(左)ムンシュタイナーさんのアトリエで一目惚れしたアメトリンのリング
(右)GSTVに出演するようになって初めて買ったリング
▲大好きなパールのコレクション
小俣 友里
ジュエリーコーディネーターとして、GSTV出演をはじめ、セミナーや展示会、商品プロデュースなど、ジュエリー業界の第一線で活躍。「ジュエリーの真の美しさは、手にする人を内側から輝かせる」が信念。