アヒマディ博士のジュエリー講座~番外編~
GSTV宝石学研究所が設立されます!
宝石専門チャンネルGSTVでは、希少性の高い高品質なジェムストーンをはじめ、様々なジュエリーを販売しております。ですが、そのすべてが、品質や産地まで明確にお伝えできる環境にありませんでした。
国内外の宝石鑑別機関は、宝石の特徴を表示する宝石鑑別レポートを発行していますが、鑑別機関によっては採用している基準及び分析技術によって異なる結論に至ることがあります。しかも、宝石の品質評価を行える鑑別機関も非常に少ない現状です。そのため、GSTVが本当にお伝えしたい宝石の特性や起源、そして原産地や品質などを正確にお客様にご紹介できるようにすることが、大きな課題でした。
そして、今年9月、ついに「GSTV宝石学研究所」をオープンさせ、自社のジュエリーを高度な宝石鑑別技術により評価することが可能となったのです。
この「GSTV宝石学研究所」には、8月の番組表にも登場いただいたTokyo Gem Science社の代表であり、国内外で最も著名な宝石研究者である阿依 アヒマディ博士の協力により、実現いたしました。研究所の設立により、まずは中石と呼ばれるセンターストーンから鑑別を実施し、通常の鑑別機関では実現できなかった原産地や品質の評価を実施していきたいと考えております。
まずはルビー、サファイア、エメラルド、そしてパライバトルマリン、デマントイドガーネット、タンザナイトなど、主要なカラーストーンに対し、宝石鑑別書をお届けしてまいります。どのような鑑別書になるかは、オンエアやWEBサイトでご紹介いたしますので、是非ご参照ください。すべてのジュエリーにお付けできるものではございませんが、ダイヤモンドのように明確な評価基準により、カラーストーンにおける4C評価を実現いたしました。この評価基準については、今後の番組表を通じてお伝えしてまいります。
従来の宝石学的な手法に加え、高度な化学分析など様々な最先端技術を用いることで、正確な宝石鑑別と国際評価基準に基づいた評価を実現するだけではなく、宝石業界に生じる諸問題の解決を目指してまいります。8月のアヒマディ博士の記事にもありましたように、国内外で異なる品質評価や用語の統一を行うため、国際学術学会や会議に参加し、国際主要ラボラトリーと強い協力関係を構築していくことも重要と考えております。
博士を中心にした優秀な技術者による継続的な研究を行い、その成果を鑑別業務に活かしながら、お客様により確かなジュエリーの品質をお伝えできるよう、努めてまいります。
世界トップクラスの最新設備が充実!
アヒマディ博士自ら厳選した分析機器で、質の高い宝石鑑別技術をご提供いたします。
※画像は2016年8月時点、設営中のラボです。
執筆
阿依 アヒマディ
理学博士・FGA。国際鉱物学会(IMA)宝石素材委員会日本代表。国際宝石学会理事。京都大学理学博士号取得後、全国宝石学協会 研究主幹を務め、2012年にGIA Tokyoラボを立ち上げる。現在はTokyo Gem Science社の代表およびGSTV宝石学研究所の所長として、宝石における研究、教育セミナー、宝石鑑別などの技術サポートを行っている。宝石の研究、鑑別に関して日本を代表する宝石学者。