【私の宝石物語】華道家・假屋崎省吾さん≪後編≫
各界で活躍する著名人の方々が、宝石への想いを紡ぎ出す「私の宝石物語」。
‘14年12月にGSTV初出演を果たした華道家・假屋崎省吾さんが、前編に引き続き、宝石の魅力について語ってくれました。
▲ 假屋崎さんが一番大事にされている琥珀のリング
美しいものを愛した両親のもと、物心ついた時から美しいものに囲まれて暮らし、自然と美への意識が培われたという假屋崎さん。
その頃に芽生えた宝石への憧れは、今も変わることなく、時には、自らが花で生み出す「美の世界」のヒントになることもあるといいます。
「美しい宝石を見るのが大好きなので、世界の名宝の展覧会があったら、必ず行きますし、外国に行った際も、美術館のジュエリーコレクションを見たり、有名な宝石ショップを覗いたり。美しいものってエネルギーがあるので、一瞬にして虜になって、こちらもエネルギーを感じることが出来るんです。石の種類とか、カットの具合、デザイン性など、そういったものを見ることによって、エッセンスを得るというか、そこからイメージをふくらませて花を活けたりっていうことも多いですね」
「花から始まるライフスタイル」「花は心のビタミンです」がモットーの假屋崎さんにとって、きらめく宝石たちは、独自の花世界をより輝かせるための、欠かせない存在なのかもしれません。
そんな假屋崎さんが、新たな美の取り組みとして手がけているのが、着物のデザイン&プロデュース。 花をモチーフにした優美な着物は、昨年の個展でも、華やかな花作品と見事にコラボレート。唯一無二の「美空間」を作り上げ、話題を集めました。
「残念なことに近頃は、着物離れで大変な時代になってきてしまっているんですけれど、そういう時だからこそ、着物にジュエリー、例えば、宝石を使った帯留めなんかでオシャレに演出するって、とても必要だと思うんです。帯留めっていっても、ブローチにも使えるし、細工の仕方によっては、指輪になったりするものがあっても素敵なんじゃないかしら。そんな風にジュエリーが、着物でも気軽に楽しめるようになると、着物自体もっと見直されて、女性の美の世界もまた広がっていくと思います」
日本を代表する華道家として、美しい花々で「美の世界」を描き出す日々。 「美のカリスマ」假屋崎さんが考える「宝石のおしゃれ」とは—?
「女性にとって、美しいものはかけがえのないもの。お花もそうですし、宝石もそうですね。特に宝石は身につけるものなので、身を清める、自分を清める。そんな意味合いでつけたり出来ます。また宝石を身につけただけで、ラグジュアリーな気持ちになって、何だかきらめいて、人生がとても豊かになります。そして何より宝石をつけることによって、自信が持てたりしますでしょ。それが宝石でおしゃれをする魅力です。私はいつも『花は心のビタミン』って言ってるんですけれど、『宝石は女の勲章』『女のたしなみ』 ともいえますね。 宝石は女性のおしゃれには欠かせない必須アイテム、宝石は女性のおしゃれの根源だと思います」
美しいものを愛する假屋崎さんにとって、「花」はもちろん「宝石」もなくてはならない大切なもの。 最後に改めて、その存在を聞いてみると—。
「自分にとって宝石というのは、ホントに空気のような、いつも回りにあるもの。それでいてすごくエネルギーを感じて、なおかつ見るだけでうっとりして夢心地になって癒される。でも癒されただけじゃダメなんです。宝石自体が秘めているエネルギーを感じて、そこからまたパワーをもらって元気を出さないと! 私にとって宝石は、そんなエネルギーの源みたいな存在でもあるんです」
假屋崎省吾さん プロフィール
華道家。「假屋崎省吾 花・ブーケ教室」主宰。
1958年、東京生まれ。
繊細かつ大胆な作風と独特の色彩感覚で、花業界に新風を吹き込んだ、日本を代表する華道家。 ユニークなキャラクターで、テレビなどメディアでも活躍中。
(番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2015年1月号掲載)