【私の宝石物語】歌手・夏川りみさん
各界で活躍する有名人の方々が、宝石への想いを紡ぎ出す「私の宝石物語」。
今回ご紹介するのは、沖縄県石垣島出身の歌手、夏川りみさん。故郷の澄んだ海にも負けない透き通った歌声で人々を魅了する「癒しの歌姫」です。 美しい歌声に秘める、故郷・沖縄への想い。そして「故郷なくしては語れない」という、宝石の魅力とは—。
▲大切な黒真珠ジュエリーと石垣島の海
「涙そうそう」の大ヒットで知られる、夏川りみさん。「天然石」が大好きで、ステージでもプライベートでも欠かせないアイテムとなっているのが、パワーストーンのブレスレット。
「きれいな石を見るのが大好きで、地方や外国へ行くと、石を扱うお店は必ず覗きます。ピンとくる石や気に入った石があったら買って帰って、自分でブレスレットを作ったり。台湾に行った時も石屋さんが沢山あったので、ごっそり買いだめしてきました(笑)」
アメジストやオニキス、ラピスラズリなど、常時10種類くらいのブレスレットを持ち歩き、その日の気分やステージ衣裳に合わせて、楽しんでいるとか。
「沖縄には、生年月日と願い事を言うと、それに合った石を組み合わせて、ブレスレットにしてくれるお店があるんです。いいことしか信じないタイプだけど(笑)身に付けると石から元気をもらったり、石に守られている感じがしますね。」
そんな夏川さんにとって大切な「宝石」もまた、故郷・沖縄と深く繋がっているといいます。
「大切にしているのは、紅白歌合戦に初めて出た時に付けた、石垣島産の黒真珠。初出場が決まって、衣裳はどうしよう?となった時、皆さんすごい衣裳だと思うけど、自分は自分らしく故郷にちなんで、八重山のミンサー織りに石垣島の黒真珠を合わせました。」
2002年、紅白歌合戦初出場のお祝いにプレゼントされたという黒真珠は、石垣島の川平湾で養殖されたもの。
「島にいる頃、島外から知り合いが来ると、必ず川平湾に案内して、黒真珠の養殖も紹介していましたが、まだ若かったこともあり、『黒真珠=高級』というイメージで、近くにあったのに興味もなく、身近なものではありませんでした。」
晴れの舞台をきっかけに、黒真珠の素晴らしさを見直したという夏川さん。気になるのは、黒真珠の「その後」ですが—?
▲いつも身につけられている結婚指輪
▲夏川さんにとって欠かせない
パワーストーンのブレスレット
「石垣島の実家の母に預けて、金庫で保管してもらってます(笑)戴いてから10年以上たちましたが、まだ私には早い気がして、もう少し歳を重ねたら付けてみようかなと。そういう意味では、この先、身に付ける楽しみがありますね。」
昨年5月でデビュー15周年。プライベートでは6年前に結婚し、一児の母に。パーカッション奏者のご主人とお揃いで付ける結婚指輪にも、故郷・沖縄への想いが込められています。
「結婚指輪は八重山に伝わる『五四(いつよ)』のミンサー柄にこだわりたくて、オーダーメイドで作りました。」
その昔、八重山地方の女性達が、帯に織り込めたという、五ツと四ツの模様。「いつ(五)の世(四)までも末永く、あなたへの想いは変わらない」というメッセージが、込められているそうです。
「黒真珠もそうですが、ミンサー柄も小さい頃からずっと見ていたのに、島にいる頃は魅力を感じなかった。職業に関することでいえば、島唄や三線もそうです。いつも近くにあったのに、歌おう弾こうとは思わなかった。でも東京の生活が長くなるにつれて、沖縄の素晴らしさに改めて気付くようになったんです。」
島を離れたことで分かった故郷・沖縄の魅力を、歌を通して伝えていきたいという夏川さん。
「石垣の青い空青い海。ミンサーや島唄。そしてサンゴ礁が育む黒真珠も、大切に伝えていきたいと思います。」
ジュエリー★一問一答
- 初めて買った宝石は?
- 文字盤に誕生石のオパールが入った時計。中3で上京し歌手を目指していた高校生の頃、近所のお店で一目惚れして、石垣島の母からの仕送りを貯めて買った想い出の品。
- 宝石を贈った想い出は?
- 初めてのヒットで、母にダイヤの指輪をプレゼントしました。
- 一番大切なジュエリーは?
- ミンサーの結婚指輪。仕事の時、結婚指輪を外す人もいますが、ステージでもずっと付けています!
- 自分を宝石に例えると?
- ターコイズ? ラピスラズリ? 石垣島生まれのせいか(笑)ブルーの宝石が好きなので!
夏川 りみさん プロフィール
歌手。沖縄県石垣市出身。
2001年「涙そうそう」で大ヒットを記録。老若男女を魅了する澄んだ歌声で、実力派ヴォーカリストとしての地位を確立する。 財津和夫作詞作曲による「虹のかけら」など、豪華アーティストとのコラボが実現した、デビュー15周年記念アルバム「虹」が好評発売中。
(番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2015年2月号掲載)