(番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2017年7月号掲載)
【私の宝石物語】女優・歌手 山口いづみさん《前編》
各界で活躍する有名人の方々が、宝石への想いを紡ぎ出す「私の宝石物語」。
今回お話をうかがったのは、女優で、最近は歌手としても精力的に活動する、山口いづみさん。女優・歌手としてだけでなく、妻として母として輝き続ける人生は、どんなジュエリーで彩られているのでしょうか?
しっとりとした魅力で、時代劇などで活躍してきた山口さん。初夏らしい、爽やかな服装でインタビュー場所に現れると、開口一番、
「番組見てます! 初めて見た時、司会の男の方の、解説する目上の女性の方へのツッコミがスゴくて、目が釘付けに(笑)。あんなにツッコんじゃっていいの?って感じで。それ以来、夜中とか目が覚めた時によく見るようになりましたね。」
そんな嬉しいコメントから始まった、山口さんの「宝石物語」。そこには人生の節目に出会った、二つのジュエリーの存在があるといいます。ある時は山口さんを彩り、ある時は山口さんを勇気づけてきたという、大切なジュエリーたち。その一つは、ご主人との愛の証、結婚指輪です。
「私が結婚した頃は、今みたいにオシャレな結婚指輪はなくて、いわゆる『かまぼこ型』しかなかったんですね。それだったら買ってもしないなぁと思っていたんですけど、ロサンゼルスで宝石屋さんをやっている友人がいて、その方の奥様が『ガードリング』をなさっていて、とっても素敵だったんですね。それで、ちょうどハネムーンでロサンゼルスに行くこともあり、そちらでダイヤのガードリングを購入したんです。
婚約指輪(右)と、
結婚指輪代わりのガードリング(左)
ガードリングに装着すると華やかに!
子育て時代を支えた2つの指輪
今も着けると想い出が蘇るとか…
ガードリングとは、手持ちの一粒石などのリングを、中に差し込んだり、重ねづけしたりして楽しむもので、アメリカではボピュラーなんだとか。そもそもは、貴重な宝石が指輪から抜け落ちないよう重ねてはめるリングとして生まれたもので、欧米では古くから親しまれているそうです。
「婚約指輪はダイヤの一粒石で、最初は6本くらいの大きな爪に支えられていたんですけど、ガードリングにつけると爪が目立ってしまったので、途中で直したんです。爪を華奢なものにして数も減らし、一粒石の横にはテーパーダイヤをつけてもらって。これでガードリングとの相性もよくなって、指先がとても華やかになりました!」
そしてもう一つ、山口さんが人生を語る時、欠かせないジュエリーがあります。それは証券マンのご主人と結婚し、二人の息子さんを出産。子育てのために、女優を休業していた時に出会ったジュエリーでした。
「お仕事を休業して子育てに専念していたんですけれど、男の子の年子だったので、子供が小さい時は子育てがすごく大変で。本当に疲れちゃって、ちょっと病みそうになっちゃったんです。そんな時、『これじゃダメだ! 自分のために何かを買おう!』って思って買ったのが、グリーンのトルマリンをダイヤで取り巻いたリングと、ダイヤのパヴェリング。同じ店で二つ同時に買いました。衝動買いと思うと、けっこう大胆でしたけど(笑)、それを買ったことで、胸のわだかまりがふわーっと消えた感じがして、子育ても乗り切れたと思います。 今も大事にしてますけど、子育てと指輪がシンクロしてるので、着ける度に『大変だったよね、これ買った時』って思いながら着けてます(笑)。」
その息子さんたちも今では成人し、長男・山口賢人さんは俳優として、次男・Yutoさんはギタリストとして活躍中。お母様にジュエリーをプレゼントしてくれる日も近いのでは?
「残念ながら、今はその気配もないですけど(笑)、いつかそういう日がくるといいですね!」
子供が二人とも男の子だったため、叶いませんでしたが、実は山口さんには、ジュエリーにまつわる、こんな夢があったそうです。
「学生時代、仲の良いお友達が、渋谷の松濤に住んでいるお嬢様だったんですけれど、毎年お誕生日にお母様から、『今年のお誕生日はこれよ』と、ジュエリーを贈られていたんです。毎年、珊瑚とかルビーとかオーダーしたジュエリーを、お嫁に行くまで一つずつ。そしてお嫁に行く時は嫁入り道具として持たせようって。それはいい想い出にもなるだろうし、親として1年に一つずつ用意してあげるのは素敵だなぁと思ってました。でも残念ながらウチには、ヘンなTシャツとかトレーナーとかを欲しがる男の子たちしかいないので(笑)。もし女の子がいたら、そんな風にしてあげたかったですね。」
山口いづみさんの人生を彩る、美しいジュエリーの数々。次号の後編では、近年注目を集めている「歌手・山口いづみ」さんに寄り添うジュエリーのお話をお届けします。お楽しみに!
最新アルバム「山口いづみ~夜を唄う」
山口いづみさん プロフィール
1954年、東京生まれ。
1972年、ドラマで芸能界デビューを果たし、同年「緑の季節」で歌手デビュー。その後は女優業を中心に活動し、「江戸を斬る」や「水戸黄門」など多くのドラマに出演。子育てのための休業期間を経て、約10年前に復帰。現在は「歌」を中心に活動し、「オトナの歌手」として注目を集めている。最新アルバムは、ジャズの演奏で昭和の歌謡曲を歌い上げる「山口いづみ~夜を唄う」。定期的にライブも開催し、人気を呼んでいる。