【私の宝石物語】俳優・船越英一郎さん≪後編≫

各界で活躍する有名人の方々が、宝石への想いを紡ぎ出す「私の宝石物語」。
今回は、多彩な活躍で知られる俳優・船越英一郎さんの後編。
「サスペンスの帝王」船越さんが信じる、「宝石のチカラ」とは果たして―?

船越英一郎さん

今は亡き父、昭和の名優・船越英二さんが、大の宝石好きだったことから、自身も宝石が大好きになったという船越さん。
亡き両親が残した形見の宝石を、自分用にリメイクし愛用しているお話は、前編でもご紹介しました。 船越さんが宝石に魅せられる理由。
そこにはどんな想いがあるのでしょうか?

「宝石好きの父親の影響で、いつのまにか宝石好きになり、どんどん魅かれていったんですけど、それはどうしてだろう?と考えた時、僕が宝石に魅了されるのは、そこからエネルギーやパワーを感じるからだっていうことに気付いたんです。確かに宝石を見ていると、元気になる宝石もあれば、癒される宝石もある。つまり石によって受け取るものが全然違う。そりゃあそうですよね。宝石は、地球が何億年もかけて育んできた宝物。そこには目に見えない神秘のパワーやエネルギーがあって然るべきなんです。」

そんな宝石のチカラに興味を持ち、独学で宝石の勉強まで始めたという船越さん。本を読んだり、宝石商の知り合いから話を聞き、知識を深めた船越さんが、辿り着いたのは―?

「TPOによって、宝石を使い分けるということ。石によって、効果効能があるんだと知って、TPOによって、宝石を使い分けるようになったんです。例えば、今日は情熱的な一日にしよう、なんていう時はルビーを身につけたり、活力を上げたい時はダイヤモンドを選んだり。最初は宝石を、ファッションとして身に付けるところから入ったんですけど、色々勉強していくうちに、どうせなら、意志を持って選んだ宝石を身に付けたい。その日の自分に一番似合う石を選んで付けたいっていう風に、変わっていったんです。」

▲ お母様の形見のリメイク
ダイヤ、サファイアのペンダント

▲ 左:青のオパール、お母様の指輪をそのまま
中:お父様の黒真珠ネクタイピンのリメイク
右:お母様のオパール指輪に新たにデザイン
を施したもの。

ちなみに、この日船越さんの指に輝いていたのは、お母様の形見をリメイクした、ブルーサファイアの指輪。

「ディスカッションをしなきゃいけない時とか、攻戦的な仕事をしなきゃいけない時には、自分の精神を安定させるために、ブルーサファイアを付けます。今日のこのインタビューも、いいお話になるようにね!(笑)」

宝石の持つチカラを知れば知るほど、「宝石というのは単なる装飾品ではない」と、感じることも多いといいます。

「昔から『宝石は富と権力の象徴』と云われて、権力を握る人は必ず宝石を手に入れてきましたが、あれは権力の象徴じゃないと思うんです。むしろその逆で、宝石のチカラを借りて自分が大きくなっていく。宝石から自信や力を付けていくんです。世の中には『自力』と『他力』があって、宝石は『他力』だと思うんですよ。『努力する』とか『身体を鍛える』などは、全て『自力』でやらなきゃいけないことだけど、自力だけではどうにもならないことも出てくる。例えば、病と一生懸命向き合っているけど、何とか他の力も欲しい。そんな時、宝石は『他力』の代表選手として活躍してくれるんじゃないかと思うんです。僕自身、怪我や病気を経験する度に、宝石に『他力』を求め、見えないチカラをもらっている気がします。」

宝石は、地球が何億年もかけて作り上げてきた、人類への贈り物。そんな宝石の持つチカラを信じることで、船越さんは自らのチカラへと変えてきたのです。
最後に、とっておきの「方法」を教えてくれました。

「宝石は身に付けなくても、そのチカラを感じることが出来るんですよ。それは、宝石を握ればいいんです。僕も時々、夜寝る前に握ります。左手で宝石を握って、15分横たわるだけ。これで気持ちがすっーと穏やかになって、やすらかな睡眠がもたらされます。夫婦ゲンカの後でも、効果てきめんですよ(笑)」

▲ 船越さん愛用のリング

船越英一郎さん プロフィール

1960年生まれ。
神奈川県湯河原町出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。
1982年のデビュー以来、ドラマ・映画で活躍。出演した2時間ドラマの数は300本を超え、「2時間ドラマの帝王」「サスペンスの帝王」の異名を持つ。 主演シリーズに「火災調査官・紅蓮次郎」「外科医鳩村周五郎」「刑事吉永誠一 涙の事件簿」などがある。

番組ガイド誌「ジュエリー☆GSTV番組表」 2015年7月号掲載)

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